マンション一棟買いは、資産運用として非常に人気がありますが、その物件に自分が住むことを考えている方もいるかもしれません。「投資用マンションなのに自分が住んでいいの?」という疑問を抱くのも当然です。しかし、結論から言えば、投資用に購入したマンションにオーナー自身が住むことは可能です。けれども、そこにはいくつかのメリットやリスクがあります。本記事では、マンション一棟買いで自分が住むことの良い点と、気をつけなければならない点について詳しく見ていきます。

マンション一棟買いで自分が住むことのメリット

マンション一棟買いで自分が住むことには、予想以上に多くのメリットがあります。中でも特筆すべきは、家賃を払わなくてもよくなるという経済的なメリットです。また、他の入居者に安心感を与える効果や、物件管理がしやすくなる点も魅力的です。以下で、それらの具体的な利点を詳しく説明していきます。

家賃を支払わなくて済む

マンション一棟買いをして自分が住む最大のメリットは、何と言っても家賃が不要になることです。通常、賃貸物件に住んでいれば毎月かなりの金額を家賃として支払う必要がありますが、自己所有の物件ならばその負担はゼロになります。もちろん、「家賃収入が減ってしまうのでは?」と心配するかもしれませんが、ローンを完済していればその心配は無用です。逆に、毎月の家賃支払いのストレスから解放される快適さを感じられるでしょう。お金が浮いた分で、趣味や旅行に使ってみるのも一つの選択肢ですね。

物件の管理が容易になる

「自分の住む家だからこそ、ちゃんと管理したい!」という気持ちは、誰しもあるはずです。自分がそのマンションに住むことで、物件の管理が飛躍的に楽になります。エレベーターが故障したり、電球が切れたりしたときも、いち早く気づくことができ、即座に対応できます。さらに、オーナーがその場にいることで、入居者にとっても安心感があります。何か問題があれば直接相談しやすくなり、結果として入居者の満足度が向上し、退去率が下がる可能性があります。実際、「大家さんがいるマンションはなんだか安心」という声をよく耳にしますよね。

物件の状態を常に把握できる

遠方に住んでいると、物件の管理を完全に委託しなければならず、細かい問題には気づけないことがあります。しかし、自分が物件に住んでいれば、毎日その状態を確認できるため、修繕やメンテナンスの必要性にすぐ対応できます。例えば、雨漏りやカビなど、小さな問題でも迅速に発見でき、メンテナンスコストを抑えられるかもしれません。実際、大家さんが建物の隅々まで気を配れる状況というのは、入居者にとっても大きな魅力です。

マンション一棟買いで自分が住む場合の注意点

一方で、マンション一棟買いで自分が住むことには、いくつかのリスクや注意点があります。特に、ローンの条件や家賃収入の減少については事前にしっかり理解しておくことが重要です。ここでは、主な注意点をいくつか見ていきます。

投資用ローンと住宅ローンの違い

マンションを購入する際に、投資用ローンを利用するか住宅ローンを利用するかは大きな違いがあります。住宅ローンは「自分で住む」ことが前提で、金利が低めに設定されています。一方、投資用ローンは家賃収入を見込んで組むもので、金利が高くなる傾向があります。つまり、「自分で住むだけだから、ローンは安くしてくれないの?」と思っても、投資用のままだと金利が高くなります。住宅ローンに借り換えることも可能ですが、その手続きは思った以上に面倒なことも多いです。なので、ローンについてはしっかりと金融機関と相談し、無理のない計画を立てることが重要です。

家賃収入が減少するリスク

自分が住む部屋がある場合、その部屋からの家賃収入は当然ゼロになります。これは特にローン返済がある場合、かなりの影響を及ぼすことがあります。借入金が多い場合や、部屋数が少ない場合、収益が減ることでローン返済が厳しくなるリスクもあります。万が一ローン返済が難しくなると、再び物件を賃貸に出すか、最悪のケースでは売却を検討せざるを得なくなります。「住むために買ったのに、また賃貸に出すなんて…」と悔しい思いをしないためにも、しっかりと計画を立てましょう。

入居者を強制退去させることはできない

「住みたい部屋が満室だったらどうする?」という問題も出てきます。入居者を契約期間中に強制退去させることは法律で厳しく制限されています。入居者がすでにいる場合、「すみません、自分が住みたいんで出てってください」とは言えません。仮にどうしても住みたい場合は、立ち退き料を支払う必要があり、その費用が予想以上に高くつくこともあります。法律の制約を無視して強制退去させることはできないため、注意が必要です。結果として「結局自分のマンションに住めなかった…」ということも十分に考えられます。

マンション一棟買いで自分が住むベストなタイミングとは?

では、マンション一棟買いで自分が住むベストなタイミングとはいつなのでしょうか?一言で言えば、最もリスクが少ないタイミングはローンを完済した後や、他の住む場所が不要になった老後です。ここでのポイントは、経済的に無理をせずに自分の住むタイミングを見極めることです。

ローン完済後がベスト

マンション一棟買いで自分が住む場合、最も安全なタイミングはローンを完済した後です。完済後であれば、家賃収入の減少があっても返済に影響を与えることはなく、自由に生活ができます。ローン返済のプレッシャーがなくなるというだけで、精神的にも大きな余裕が生まれますよね。また、老後の住まいとして活用することも検討できます。高齢期には賃貸を借りることが難しくなるケースもあるため、資産としても安心です。

投資目的での運用が終わってから

投資用マンションは基本的に家賃収入を得るためのものです。そのため、できるだけ全戸賃貸にして、家賃収入をフルに得る方が経済的には理想的です。したがって、自分が住むタイミングとしては、投資目的の運用が一段落し、収益が安定し、ローンが完済された後がベストです。「投資で稼ぎ切ってから、悠々自適な生活を送る」という流れが理想的ですね。

Q&A:マンション一棟買いで自分が住む際のよくある質問

Q1.自分が住む場合、ローンの借り換えは可能ですか?

    A1. 借り換えは可能な場合もありますが、簡単ではありません。投資用ローンから住宅ローンへの借り換えは、手続きや条件が厳しくなることが多く、すんなり進むことは期待しない方が良いでしょう。事前に金融機関とよく相談し、ローンの条件をしっかり確認しましょう。特に、手数料や金利差を考慮しておくことが大切です。

    Q2. 投資用マンションに住む際、家賃収入はどうなりますか?

    A2. 自分が住む部屋の家賃収入は当然ゼロになります。全ての部屋を賃貸にする場合と比べると、家賃収入は減少します。そのため、家賃収入に依存したローン返済計画が破綻しないように、将来の収入見込みやキャッシュフローを事前にしっかり立てることが重要です。

    Q3. 入居者を退去させることはできますか?

    A3. 一般的には、入居者を契約期間中に強制退去させることはできません。正当な理由があれば立ち退き料を支払って退去してもらうことは可能ですが、法的な制約や立ち退き料の高額なコストを考慮する必要があります。計画的に進めることが求められます。

    まとめ:マンション一棟買いで自分が住むのは慎重に判断を

    マンション一棟買いで自分が住むことは、理論上可能ですが、家賃収入が減少するリスクやローン条件の変更が伴うため、慎重な判断が必要です。理想的なのは、ローンを完済し、物件をフル活用して収益を上げた後に、自分が住むことです。それまでは、物件を賃貸にして収益を得ながら、将来の住まいとしての準備を進めるのが最も賢い選択と言えるでしょう。

    最後に、投資は慎重に行うべきです。専門家のアドバイスを受けつつ、自分の生活と経済計画に合わせた最適なタイミングを見極めることが成功のカギです。